私の中の何かが切れた
姉はボロボロ涙をこぼし、言葉が続かない様子でした。
そんな姉に代わってのつもりか目をパチパチさせながら母が雄弁に話します。
母:「朝、体がしんどいって言ったの。だから、しんどいなら寝ときなさいよ、って言ったの。で、帰ってきたらパパが返事しないから。姉ちゃんに電話して。救急車は私が呼んだのよ。」
私:「朝どこがしんどいって父ちゃんが言ったの。」
母:「息が苦しいって」
私:「息が苦しいのに置いてでたの」
母:「だってさ。私小柄だからパパ動かせないじゃない?だから、姉ちゃんに電話すると思ったし、○○のおばちゃんと約束してたし。」
頭の中でプチンと音がした感覚がありました。
気が付けば母のロングヘアを鷲掴みにし、救急外来から、廊下まで引き摺っていたようです。
姉が「ことり、やめて。お父ちゃんがまだ近くにいるから。」と泣きながらすがっていました。
普段温厚なと思っていた娘に暴力を振るわれた母はパニック状態でした。
「なんで、親に手を挙げる、なんで、なんで、ことりが」
母の髪が手に絡みついていました。
髪を丸め、「汚いな」と廊下に捨てました。
それから、駐車場に出て、職場と夫に電話しました。
小雨がやんで夕日が見えました。