父の晩年
父の晩年。
父が亡くなる3年前に私は遅い再婚をしました。
シングルマザーで子育て終了後、生涯独身かと思っていた次女の結婚で父は喜んでくれました。
「いかず後家が嫁にいったよ」と酔うと嬉しそうに話していました。
ただその頃から母の精神状態は悪化し、物を無くしては、姉に「盗ったものをだせ」と言うようになる回数が増えていました。
妹にも電話しては、同様に言い、妹がブチ切れて県外から車で飛ばして来て、アクセサリーケースを抱えて入り、「私がもってるのんはこれだけ!自分の物があるか見てみろ。」と怒鳴り、母にケースを投げつけていました。
そんなこと続きで私たちは父に会いたくても、実家に帰るのをやめました。
私に対してはなぜか「物を盗った」は言いません。
逆に私のカバンを漁って口紅など盗むのです。それもストレスです。
母が自身の実家に帰る日などに、みんなで示し合わせて父に寿司や刺身を持ち寄って父と食事を楽しんでいました。
水道工事店を畳んでからは、農業にいそしみ、年金は少ないものの作物からの収入もありました。毎日一生懸命働いていました。
いつもまめに働いていた父が、急に食事量が減り、寝ている時間が多くなりました。
そんな状況でも食事の工夫をするわけでなく、逆に残すと金切り声でわめきたてることもありました。
兄が付き添い受診させると、心不全のかなり悪い状態で、検査もかねて入院になりました。