父の葬儀とゴミ屋敷と喪服
父を家に帰してあげたかったです。
でも、足の踏み場のないゴミ屋敷。
父を葬儀社にお願いして母と喪服を取りに帰りました。
喪服も手入れが悪くカビ臭いよれよれがタンスから出てきました。臭くても母が着るから構わないと思いました。
母を葬場まで送り、私も家に帰って短時間で風呂に入って喪服に着替えました。
数珠と黒真珠なども用意しました。
あわただしく葬儀社に行くと母と姉と妹がついていました。
母が私を凝視しています。
(なに。なんだよ。)
母が急に涙目になりました。
母「私の喪服汚くてみっともない!」
拳を握り震えてわなわなしています。
母「私の喪服は古いから嫌!」
涙をボロボロこぼします。
(だからなんなんだ)
母がにじり寄ってきます。
母「私は綺麗な喪服がない」
母「私もこういうのがいい」
(えーっ噓でしょ…)
私「私もこれしかないから、ママには上げられない。それにママと私は体格が違うから無理よ」
私は160センチLサイズ、母は149センチSサイズです。
妹「そうだよ。無理だよ。ママ喪服綺麗にしてやるから脱ぎな」
妹が母の喪服にアルコールスプレーをかけてふき取っています。ババシャツとタイツの母がうらめしげに私を睨んでいます。
妹がアルコールスプレーで拭いたのでしわと臭いは改善されています。
妹「ほら、ママ着なさいよ。」
母「嫌だー!だったら葬式も出ない!」
ババシャツとタイツで身を丸めて、拒否する母。
姉「じゃあどうしたらいいの!」
母「ことりの喪服を借りる!」
姉「ことりはどうすんのよ!」
母「ことりはお金持ってるからいいのよ。うわ~ん」
姉「いい加減にしなさいよ!」
もういい。疲れた。
「私喪服を買ってきます」
ふらりと出ました。